私は令和8年度の中小企業診断士1次試験にて、【経営法務】に科目合格しました。
前年に宅建の試験も受験し、その知識が役に立ったと感じています。
事前に取得していた宅建の知識がどのように役立ったかについて解説していきます。
この記事は、こんな方におすすめです。
- 中小企業診断士1次試験の【経営法務】の勉強をこれから始める方
- 【経営法務】の勉強方法に悩んでいる方
- 宅建受験後に中小企業診断士の取得を検討されている方
私自身、1次試験は2年にわたって合格を目指す計画で勉強を進めています。
勉強開始のタイミングで、7科目すべてに合格することは難しいと判断したからです。
勉強を進める中で、
宅建の知識が、【経営法務】の学習にかなり活きているのでは?
と思うことがありました。
そこで今回は、宅建のどんな知識が役立ったのか、逆に宅建だけでは足りないと感じた部分は何だったのかについて、実体験をもとに解説していきます。
診断士試験に挑む方の参考になれば幸いです。
宅建を取得した経緯
まずは、私が宅建を取得した経緯について解説したいと思います。
私は、昨年の転職を機に、宅建・ITパスポート・簿記2級を取得しました。

これら資格の取得を急いだのは、
資格手当が欲しかったから!
という、現金な理由でした。(現金が欲しい)
もちろん、それぞれ別の理由もあります。
| 資格 | 理由 |
| 宅建 | 不動産業界への転職だったことや社内推奨資格だったため。名刺に「宅地建物取引士」の称号が欲しかった。 |
| ITパスポート | 社内推奨資格だった。 |
| 簿記2級 | 経理部門の業務を担当する機会があった。簿記3級を持っていたのもハードルを下げた一因。 |
| 中小企業診断士 | これまでの資格勉強を活かせそう。資格手当がある。名刺に「中小企業診断士」以下略 |

宅建に関しては、不動産業界への転職だったこともあり、何かしておいた方がいいと思い受験しました。
資格手当も欲しかったし、未経験での転職ということで何か箔が欲しかったというのもあります。
不動産の知識を習得して、業務に活かしていきたい!
というお手本のような理由はほとんどありませんでした。完全に見栄のためです。
勉強期間は約6カ月です。
宅建試験では、宅建業法をはじめ、民法、都市計画法、建築基準法など、幅広い分野の知識が問われます。
🏠もう受けたくない宅建の内容🏠
- 宅建業法
- 民法
- 都市計画法
- 建築基準法
- 盛土規制法
などなど。
2019年に行政書士の勉強をしていたことがあります。(完全になんとなくです。)
そこで法律的な知識には触れたことがありました。
しかし、当時の私には受け入れがたい部分があり、挫折した経緯があります。
改めて、宅建で法的な知識に触れましたが、
やっぱり難しいよな~~
と思いながら、勉強していました。
結論:めっちゃ役立つ
他の記事でも書きましたが、【経営法務】は今年受験した4科目の中で2番目に勉強を開始した科目です。
理由は、
法律の勉強は時間がかかりそう
と、実体験を通じて感じていたからです。
実際に、【経営法務】を勉強をしてみて、
宅建の経験がなかったら、もっと時間がかかっていたかも…。
と思うほど役に立ちました。
特に、民法を学習できていたことは、勉強を進める上で大きなアドバンテージとなりました。
令和8年度の【経営法務】における民法からの出題は以下の通りかと思います。

私が民法分野に該当すると感じた7問中4問正解です。
決して得意な分野とは言えませんが、民法範囲はほとんど勉強せずに本試験に臨んでいます。
5カ月間という限られた時間の中で、頻出範囲の会社法や知的財産権に時間を注げました。
最終的には、その時間配分が【経営法務】の科目合格につながったと思います。
宅建は何を学習するのか
そもそも、宅建ではどのようなことを勉強するのでしょうか。
宅建試験では、大きく分けると以下のような分野を学習します。
- 宅建業法
- 権利関係(民法など)
- 法令上の制限
- 税・その他
宅地建物取引士(宅建士)の試験科目の特徴と目標点 | 宅地建物取引士 | 資格本のTAC出版書籍通販サイト TAC出版オンラインストア (参考HP)
この中でも、今回のテーマである中小企業診断士1次試験の【経営法務】に関係してくるのが、主に権利関係の分野です。
宅建の権利関係では、民法を中心に、
- 契約
- 意思表示
- 代理
- 債権
- 物権
- 担保物権
- 相続
など、法律に関するさまざまな知識を学習します。

令和8年度の本試験でも、問16~22は宅建の民法問題に出てもおかしくない内容でした。
実際に【経営法務】の過去問を解いてみると、
分かるぞ!私にも正解が分かる!
宅建の民法より簡単じゃね?
と思う場面が結構ありました。

宅建を勉強する中で、「民法の分野が鬼門になる」と言われることも多かったです。
一定の難易度が求められる試験の対策を経験できていたことは、本当に良かったと感じました。
実際に役に立ったこと
宅建の試験勉強がどのように役に立ったかをご紹介します。
🏠宅建が役に立ったこと🏠
- 民法の基本的な知識が身についていた
- 法律用語に抵抗がなかった
- 民法の問題を解くことに慣れていた
- 民法の勉強時間を大幅に削れた
- 「法律の勉強」に対する苦手意識がほとんどなかった
その前に経営法務の学習内容とは
まず、【経営法務】の学習内容を簡単にご紹介します。
【経営法務】の勉強内容をざっくりと分けると、以下のようになると思います。
| 民法等 | 物権、債権、相続…etc |
| 会社法 | 株式会社について、企業再…etc |
| 知的財産権 | 特許法、実用新案法、意匠法、商標法、著作権法…etc |
| その他もろもろ | 国際法、独禁法…etc |
宅建の学習が主に活きるのは、『民法等』の分野だと思っています。
ただ、それ以外の分野を学習するうえでも、
ほんま、勉強としてよかった。。。
と思える部分がありました。
民法の基本的な知識が身についていた
一番大きかったのが、やはり民法の知識です。
宅建の勉強では、契約や意思表示、代理、債権、物権など、民法に関するさまざまな内容を勉強します。
そのため、経営法務の過去問を解いていても、
知ってますよ知ってますよ!!
と思うことが多かったです。
もちろん、宅建と中小企業診断士では試験範囲が完全に同じわけではありません。
それでも、法律の基本的な考え方や用語を一度勉強していたことは大きかったです。
法律用語に抵抗がなかった

宅建を勉強していなければ、おそらく最初は、
善意?悪意?
第三者???
対抗要件って何?
取消しと無効????
というところから理解する必要があったと思います。
宅建の勉強を通じて、こうした法律特有の言葉に一度触れていたため、経営法務の勉強では用語そのものに戸惑うことが少なかったです。
法律の勉強って、内容以前に「日本語が難しい」という問題がありますからね。
用語からイメージできる場面が分からないと、理解がなかなか進まないですからね….。(情シス)
宅建をやっていたことで、その「法律語への耐性」が多少ついていたのかなと思います。
民法の問題を解くことに慣れていた
宅建では、単に法律の知識を暗記するだけではなく、
「この場合、どうなる?」
という具体的な事例について考える問題が出てきます。
経営法務でも同じように、事例や選択肢を読んで、法律上どうなるのかを判断する問題があります。
そのため、法律の文章を読んで、事実関係を整理することについては、宅建の経験が活きたと感じました。
特に宅建の場合は、全50問のうち、『民法等』に分類される問題は14問あります。
12年分の過去問+本試験で13年分の問題に触れていたこと、ある程度の実力をつける機会となりました。
民法の勉強時間を大幅に削れた
そして、私にとって一番大きかったのがこれです。
経営法務の民法については、新しいことは学習していません。
一応、『相続』分野は初見の内容もあったので、テキストを読みました。
それ以外の分野はほぼテキストにも目を通していません。

その分、
会社法や知的財産権など、初見の分野に時間を使うことができました。
5か月という限られた期間で4科目を勉強していた私にとって、これはかなり大きなメリットでした。
「法律の勉強」に対する苦手意識がほとんどなかった
もう一つ、直接的な知識とは別に、法律の勉強そのものに慣れていたことも役立ったと思います。
以前、行政書士の勉強をしていたときは、法律の文章や考え方に馴染めず、途中で挫折しました。
その後、宅建の勉強を通じて改めて法律を勉強したことで、
法律って難しいけど、こういうものなのね
と、多少は受け入れられるようになりました。
その経験があったので、経営法務を勉強するときも、あまり抵抗なく進めることができました。
宅建だけでは足りなかったこと

ここまで、宅建の知識が【経営法務】の勉強にかなり役立ったと書いてきました。
一方で、
宅建を勉強していたから、【経営法務】は余裕!
というわけではありません。
実際に勉強してみると、宅建では触れていない分野も多いです。
私が特に「宅建では足りない」と感じたのは、以下のような部分です。
- 会社法
- 知的財産権
- その他
- 勉強しないと忘れる
会社法
会社法については、宅建の知識はほとんど役に立ちませんでした。
宅建では会社法を本格的に勉強することはないため、【経営法務】で会社法を勉強したときは、ほぼ初見の状態です。
そのため、
分かるぞ、私にも分かる!
となることもなく、ほぼゼロから勉強する感覚でした。
特に、会社の設立や機関設計、株式など、宅建ではあまり触れてこなかった内容については、テキストを読みながら一つずつ覚えていく必要がありました。
私の場合は、宅建の知識を活かせたのは主に民法の部分で、会社法については完全に別の試験として勉強したという感覚です。
知的財産権
知的財産権についても、宅建で勉強した知識がそのまま役立った部分は、『共有』に関する知識くらいです。
それ以外の知的財産権については、ほぼ初見でした。
ただ、私が勉強した印象としては、知的財産権は民法のように、
この設問の状況の場合、法律上どうなる?
と設問の状況をじっくり考えるというより、制度やルールを覚える要素が強い分野でした。
そのため、宅建で法律の基本的な考え方に慣れていたことが多少プラスになったとしても、
知的財産権については結局、経営法務の勉強として新しく覚える必要がある部分が多かったです。
その他
その他の、国際法や消費者契約法などももちろん初見のため、
分かるぞ、私にも分かる!
とはなりませんでした。
勉強しないと忘れる
至極当然のことですが、しばらく勉強していないと『民法』の知識も抜けていきます。
実際、今振り返ると民法分野で間違えた問16~18も本来であれば正解すべき問題だったような気がします。
本試験を受けている最中、
あーもう少し復習しておけばよかったな;;
と何度思ったことか。。
科目合格しているので、結果オーライですが、
宅建の勉強をしていたからだけの理由では『民法』分野の点数を必ず取れるというわけではないです。
(復習していたから解けたかと言われると….ぐぬぬ)
宅建取得後に【経営法務】を勉強するなら?
宅建を取得した直後に【経営法務】を勉強するのであれば、
宅建で身につけた民法の知識を活かしながら、会社法や知的財産権などの新しく学ぶ分野に時間を使うのがおすすめです。
私の場合も、民法については宅建の知識がかなり残っていたため、そこに多くの時間をかける必要はありませんでした。
一方で、会社法や知的財産権については新しく覚えることが多かったため、そちらに時間を使いました。
具体的な【経営法務】の勉強方法については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
民法の復習をするなら?
もし、宅建で勉強した民法を復習するのであれば、私なら、
- 相続 →中小企業診断士のテキスト
- それ以外 →宅建のテキスト
というように、使い分けると思います。
『相続』分野は、宅建で学習しない範囲も出題されます。
例えば、「経営承継円滑化法」や「仮払い制度」などです。
一方で、それ以外の分野は宅建のテキストの方が詳細に記載されていると感じました。
そのため、宅建のテキストを捨てずに残しておき、診断士のテキストと使い分けながら復習することで、効率よく学習を進められると思います。
(私は捨ててしまいました。。)
まとめ

今回は、宅建の勉強で身につけた知識が、中小企業診断士1次試験の【経営法務】でどの程度役立ったのか、私自身の実体験をもとに紹介しました。
私の場合、宅建の知識は【経営法務】の勉強にかなり役立ちました。
特に大きかったのが、民法の知識をすでに身につけていたことです。
宅建で勉強した法律用語や民法の基本的な考え方があったため、経営法務を勉強するときも、
分かるぞ!私にも正解が分かる!
と思う場面が何度もありました。
一方で、会社法はほぼ初見で、知的財産権についても共有など一部を除いて、新しく覚えることが多かったです。
つまり、宅建の知識が【経営法務】全体にそのまま使えるわけではありません。
私の場合は、
民法をほぼノー勉にし、勉強時間を会社法や知的財産権に回せた
ことが、一番大きなメリットだったと感じています。
5か月という限られた期間で4科目を勉強した私にとって、この時間的なアドバンテージはかなり大きなものでした。
もし宅建を取得した後に中小企業診断士1次試験を目指すのであれば、
宅建で勉強した知識を活かせる部分は活かしつつ、初めて学ぶ分野にしっかり時間を使うのがいいと思います。
宅建の知識があるからといって【経営法務】が簡単になるわけではありません。
それでも私にとっては、宅建を勉強していたことが、5か月で4科目合格を目指すうえでの一つの武器になりました。
宅建を取得後に、中小企業診断士試験の受験を検討される方の参考になれば幸いです。
<次はこれ読んでね🐈>


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