1次試験は7科目ある
中小企業診断士の1次試験は7科目あります。
- 経済学・経済政策
- 財務・会計
- 企業経営理論
- 運営管理
- 経営法務
- 経営情報システム
- 中小企業経営・中小企業政策
(試験概要に関しては下記をご参照ください。)
中小企業診断士の仕事柄、幅広い知識が求められることから、科目数が多いです。
私が使用していたスピードテキストでは、各科目300~400ページほどのボリュームでした。
宅建で受験でお世話になった『2026年度版 みんなが欲しかった! 宅建士の教科書』で3分野(民法・宅建業・その他)合計約600ページです。
簿記2級でお世話になった『合格テキスト 日商簿記2級 商業簿記 Ver.17.0』『合格テキスト 日商簿記2級 工業簿記 Ver.10.0』で商業+工業簿記合計約800ページです。
7科目となると、合計2,000ページに及びます。

テキストを読むだけでも、一苦労という印象でした。
1年で7科目受験するべき?
1次試験は7科目という結構なボリュームがあります。
診断士の試験は、科目合格という制度があり、2~3年かけて全科目の合格を目指すという選択肢もあります。
では、1年で7科目すべてを受験するべきなのでしょうか。
結論:
人によって違う!
とても乱暴ですが、「人によって違います。」
各々の状況によって変えていい、というのが私の意見です。
私は勉強を始めたのが試験日の5か月前で、完全独学でした。
そのため、7科目すべてを勉強するのではなく、4科目に絞って受験することにしました。
もちろん、1年で全科目を受験することをが悪いわけではありません。
ポイントは、自分の状況にあった受験計画を立てることだと思います。
4科目に絞った4つの理由
私が4科目に絞った理由は3つあります。
- 試験まで5か月しかなかった
- 完全独学だった
- 2次試験も見据えて
- お金がとにかくなかった
試験まで5か月しかなかった
私が勉強を開始したのは2026年2月中旬からです。
私は昨年転職をして以来、労働環境が変わり、時間的な余裕ができるようになりました。
職場の資格手当が充実していることもあり、また何か自分を変えたいという漠然とした不安感から資格勉強をするようになりました。

簿記2級に合格し、次にもらう資格手当を考えていた時、これまで勉強してきた内容が生かせる中小企業診断士を受験しようとなったわけです。
テキストのボリュームを見て驚きました。
1か月でテキスト⇒問題集⇒過去問を1科目ずつ完成させるイメージで、最終月にまとめをしようとなると4科目が限界だと感じました。

完全独学だった
社会人になってからこの方、お金に余裕があったことはありません。
よって、何か資格勉強する際は完全独学で臨んでいます。
テキストを手に取った時、これまでの経験から
「これなら独学でいける!」
という自信はありました。(何様?!)
一方で、理解を深めたり、要点を掴むには1教科1か月はかかるとも思いました。
これまでに受験した資格試験の知識を生かせると思ったので、1か月程度でなんとかなると思いましたが、その経験がなければもっと時間がかかっていたと思います。
資格学校や通信講座を利用していれば、受験科目数はもう少し増やせたかもしれません。
一方で、TACなどの講座を見ると、前年10月から始まるコースや、2次試験対策まで含めた1.5年コースもあります。
中小企業診断士は、そもそも短期決戦だけを前提にした資格ではないのだと感じました。
(TAC社の講座一覧参照☟)
前年の12月頃から勉強を始めていれば、7科目も視野に入っていたかもしれません。
2次試験も見据えて
中小企業診断士の試験は、1次試験だけでなく2次試験もあります。
2次試験は記述式のため、より深い理解が必要だと思っていました。
1次試験を急仕上げで合格して、2次試験までの3か月弱で記述式に対応できるイメージがありませんでした。
2次試験の過去問をチラッと見て、今年は難しそうだなと判断したので、科目合格でいいと割り切りました。
お金がとにかくなかった
勉強を開始したタイミングですでに、今年の4月には貯金が底をつくことがわかっていました。
1次試験:17,200円 2次試験:15,100円….ぐぬぬ。。
貯金額=精神安定度という人間のため、2次試験までイメージできず。。
通信講座等を頼ることができなかったのも、ここが影響しています。
テキスト代に関しては、適当な理由をつけて父親に一部支払ってもらうなど、おおよそ30代成人男性とは思えないムーブです。
この部分に関しては、皆さん参考になさらず。
…………………する人いないか。
以上の理由から、私は2026年度の1次試験では4科目に絞り、まずは4科目合格を目指すことにしました。
実際に4科目を受験しての感想
実際に4科目で受験してみての感想ですが、メリットもあったけどデメリットも大きかったなというのが正直なところです。
私が受験したのは、財務・会計、企業経営理論、経営法務、経営情報システムの4科目です。
なぜこの4科目を選んだのかについては、こちらの記事で簡単に紹介しております。
ここでは、実際に4科目に絞って勉強・受験してみて感じたことを紹介します。
メリット
4科目に絞ってよかったなと思うことは、4点あります。
- 精神的に余裕をもって進められる
- 科目ごとの完成度を上げやすい
- 『6割でいい』が通用する
- 直前期の復習がしやすい
精神的なに余裕をもって進められた
受験生の9割が社会人です。
仕事や家庭のことををしながら勉強を進めなければいけませんので、とてもハードだと思います。
私の場合、科目数を絞ったことで、そもそもの勉強量が抑えられたことが精神的な余裕につながりました。
7科目すべてを勉強するとなると、
「まだこの科目も終わってねぇ….」
「あの科目のあの分野の復習を….」
と、常に追われるような感覚になっていたかもしれません。
4科目でも十分に大変でしたが、
「まずは4科目を仕上げればいいのよ!」
と思えたことは、勉強を継続するうえで大きかったです。
精神的な余裕があったからこそ、仕事で疲れた日でも「今日は少しだけやろう」と思えたのだと思います。
科目ごとの完成度を上げやすい
私の場合は、5か月という期間で各科目を合格点までもっていく必要がありました。
もし7科目勉強しないといけなかったら、1科目ごとの勉強に時間を掛けられず、各科目が微妙な点数になっていたかもしれません。
実際、私は科目ごとにまとめシートや小テストを作成することができたので、丁寧に学習を進めることができています。

結果として、4科目の平均70点弱でした。
7科目勉強していたら、もっと点数が低かった可能性があります。
『6割でいい』が通用する
私にとってはこれがとても救いになりました。
中小企業診断士の1次試験は、範囲が広く、深い理解が求められる論点も多い試験です。
それでも、『6割』という絶対的な基準があることで
「この論点は捨てるぞぉ!」
という思い切った勉強ができたと思います。
7科目でももちろん、各科目で『6割でいい』が通用します。
ただ、7科目受験の場合は、科目ごとの合格基準に加えて、7科目合計で60%以上という基準もあります。
怠惰な私は、得意科目があるとそれに甘えてしまい、
苦手科目は5割でいいけど、得意科目は7割取らないと…。
と、なっていたかもしれません。
一方、科目合格を目指す場合は、その科目で60点を取ることに集中しやすいと感じました。
本試験で科目が難化しても6割を取れる実力をつけておけばよい、と割り切りやすかったです。
直前期の復習がしやすい
私は最後の最後まで足掻いて合格するタイプです。
試験直前になると、勉強へのブーストがかかります。
7科目を勉強していた場合、各科目の復習にかけられる時間が限られるため、直前期にやりたいことをすべて消化するのは難しかったと思います。
4科目に絞ったことで、直前期にも各科目をある程度まとまった時間で復習できました。

特に、超直前期の過去問全問演習は脳を試験モードに切り替えることができました。
7科目だと、あそこまで追い込むことは難しかったと思います。
このように、科目を絞って受験できたことのメリットは大きかったと感じています。
一方で、デメリットも感じます。
デメリット
科目を絞ったことで感じたデメリットは3つありました。
- 『6割は取らなければいけない』
- 7科目合格の可能性を捨ててしまう
- 2年目のモチベーション維持が大変
『6割は取らなければいけない』
メリットと表裏一体ですが、『6割でいい』一方で、『6割は取らなければいけない』ということでもあります。
私は【経営情報システム】が苦手科目でした。
4科目の中でも最も時間を掛けて勉強した科目です。
特に一年目で1次試験の科目合格を狙う場合、その科目で60点以上を取る必要があるため、他の科目で苦手科目をカバーすることができません。

どうしても6割を取れる実力を身に着けるのが難しい科目もあると思います。
そんな時、苦手科目は5割、得意科目で7割を目指すほうが効率的な場合もあります。
7科目を受験する場合は、得意科目で苦手科目をカバーするという考え方もできますが、科目合格を狙う場合は、基本的にその科目単体で合格基準を満たす必要があります。
そのため、苦手科目に時間をかけても、なかなか60点に届かない場合があるというのは、科目を絞るデメリットだと感じました。
なお、2年目に科目免除を利用する場合は、1年目に合格した科目が60点として扱われます。
そのため、残り3科目については、各科目40点以上という足切りを満たしたうえで、免除科目を含む7科目合計が420点以上になれば1次試験は合格という判定になります。

7科目合格の可能性を捨ててしまう
上記のデメリットと被る部分がありますが、はじめから7科目で合格する可能性を捨ててしまうのが勿体ないと感じることもありました。

財務と経営理論は何してもこの点数で落ち着いてたやろうし、経済40点で運営・中小誤魔化せたら合格やん!
という、糞皮算用が頭をよぎります。
(結果論of結果論ですが…)
科目によっては、これまでの経験や仕事柄で、ほぼノー勉でも6割近くまで取れるものもあるかと思います。
また、7月は少し勉強に余裕がある日もありましたので、そこで経済と中小をやっていれば…。(結果論of結果論です。)
初めから科目合格を狙うのではなく、とりあえず全科目のテキストを1周してから勉強の強弱をつけて7科目合格を狙ってもよかったなという感想です。
もちろん結果論of結果論です。
2年目のモチベーション維持が大変
現在、私は2年目に突入していますが、1次試験の科目数が少ないため、なかなか本気モードになれていません。
4科目を目指していた時とは明らかにスピードが落ちています。
2次試験までの時間もたっぷりありますが、途中で時間を持て余してしまいそうな予感です。
このように時間がありすぎるのも問題だなと感じています。

一方で、8月以降の仕事の状況を見ていると、
今年1次試験に合格して、2次試験対策を十分にできただろうか?
と思うところもあります。
そのため、4科目に絞ったことを後悔しているわけではありません。
ただ、実際に2年目を迎えてみると、
「あ~なげぇ~」
という感覚もあり、1年目とは違った難しさを感じています。
結局、何科目受験するべき?
ここまで、4科目に絞って受験したメリットとデメリットを紹介しました。
で、結局のところ、1次試験は何科目受験するべきなのでしょうか。
結論:
人によって違う!
です。
私の場合は、2026年2月中旬から勉強を開始し、完全独学で5か月後の試験に挑戦しました。
そのため、最初から7科目すべてを仕上げるのは難しいと判断し、4科目に絞ることにしました。
結果として、4科目合格することができました。
一方で、実際に受験してみると、
「7科目で受験していたら、もしかしたら合格できていたかもしれないな……」
と思うこともありました。
ただ、これはあくまで結果論です。
4科目に絞ったからこそ、各科目に時間をかけて勉強できた面もあります。
そのため、「7科目が正解」「4科目が正解」と一概には言えないと思っています。
考えるポイント
「今年は何科目受験しようかな….。」
と考えられている方も多いと思います。
私が実際に受験科目数を決めた際、以下の3つが大きな判断基準になりました。
- 仕事などのこれまでの経験
- 取得済みの資格があるか
- 試験までの期間
仕事などのこれまでの経験
これまでの経験によって、各科目の論点を理解するスピードは、全く違うと感じました。
私は仕事柄、現場で損益計算書を見たり、実際のオペレーションに関わることが多いです。
【財務・会計】や【運営管理】に関しては、比較的とっつきやすく、勉強が進めやすかったです。
一方で、【経営情報システム】はあまりにも馴染みがなく、実力を身に着けるのに苦労しました。
これまでに経験されてきた分野によって、「理解しやすい科目」と「理解しにくい科目」は変わってくると思います。
そのため、まずは各科目のテキストを一読してみてから、どの科目なら勉強を進めやすそうかを確認してみるのもよいと思います。
全体的に経験がないものが多い場合は、2~3年に分けて合格を目指すのも一つの方法です。
取得済みの資格があるか
中小企業診断士も一つの資格試験ですが、これまでに取得した資格の勉強経験が、次の資格試験に役立つこともあります。
私の場合は、宅建・ITパスポート・簿記2級の経験が役に立ちました。

具体的には、
- 宅建の勉強 → 経営法務の民法
- 簿記2級 → 財務・会計
- ITパスポート → 企業経営理論の経営戦略・組織論
という形です。
もちろん、以前に勉強した内容が、そのまま中小企業診断士の試験に出るわけではありません。
それでも、すでに知っている用語や考え方があると、初めて学ぶ内容よりも理解しやすいと感じました。
そのため、取得済みの資格がある場合は、関連する科目のテキストを確認し、どの程度知識を活かせそうかを考えてみるとよいと思います。
(ITパスポートぉぉぉ…。ITとは。)
試験までの期間
試験までの期間がどれくらいあるかは、何科目受験するかを決める際に、最も大きなポイントだと思っています。
実際、私が4科目に絞った理由も、試験まで5か月しかなかったことが大きいです。
7科目すべてを勉強するとなると、単純に勉強する範囲が広くなります。
さらに、テキストを読むだけでなく、問題集を解いたり、過去問を解いたり、苦手な論点を復習したりする時間も必要です。
そのため、試験までの期間が短い場合は、「7科目すべてを一度勉強する」だけで終わってしまわないかを考える必要があると思います。
逆に、試験まで十分な期間がある場合や、1日に確保できる勉強時間が多い場合は、7科目合格を目指すという選択肢もあります。
ご自身のこれまでの経験を加味しつつ、試験日から逆算して、各科目をどのくらい勉強できるかをイメージしてみるとよいと思います。
まとめ
中小企業診断士1次試験は、7科目すべてを1年で受験する方法だけでなく、科目合格を利用して複数年で合格を目指す方法もあります。

私の場合、2026年度は4科目に絞ったことで、精神的な余裕を持ちやすく、各科目の勉強や直前期の復習に時間をかけられたことは大きなメリットでした。
一方で、科目合格を狙う場合は、その科目で60点以上を取る必要があるため、苦手科目を得意科目でカバーできないというデメリットもあります。
また、醜い皮算用で後悔がうっすら残り続ける部分もあります。
ただし、これはあくまで結果論of結果論です。
受験科目数を決める際は、これまでの仕事や勉強の経験、取得済みの資格、試験までの期間などを考慮することが大切だと思います。
私は来年、残り3科目の合格を目指します。
皆様が勉強を進めるうえで、本記事が参考になれば幸いです。
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